難民と移民に関する国連サミット~日本は2800億円の支援を表明

こんにちは!東京もだいぶ涼しくなりましたね~

日本の食事が美味しすぎて、帰国2週間で2キロの増量を達成したユキです。

今回は、先日のニュースまとめでも触れた『難民と移民に関する国連サミット』についてお伝えします!

採択された『ニューヨーク宣言』の内容もご紹介しますので、ご一読あれ!

 

難民と移民に関する国連サミット

19日、ニューヨークの国連本部で『難民と移民に関する国連サミット』が開催され、第二次世界大戦後最悪と言われる難民・移民問題について効果的な対策が協議されました。

『難民と移民の大規模移動』を主題とした国連総会主催の会議の開催は初めてで、各国首脳級は80名ほどが参加。

難民と移民の保護を強化するための一連の誓約からなる『ニューヨーク宣言』が全加盟国の同意で採択されました。

安倍首相もサミットでスピーチを行い、今後3年間で難民・移民への人道支援や受入国支援を28億USドル(約2800億円)規模で行うことを表明しました。

20日には、オバマ米大統領がカナダ、ドイツ、ヨルダン、スウェーデンなどと共催で『難民に関するリーダーズ・サミット』を開催し、各国政府に難民支援として新規資金拠出の誓約を呼びかける予定。

サミット開催の背景

世界の難民・避難民の数は年内に7000万人に達すると見られ、「第二次世界大戦後最悪の状況」と言われています。

UNHCRによると、2015年末の時点で、世界の難民・避難民の総数は6530万人で、これは前年比580万人の増加でした。

今年に入って9月20日までに地中海経由で欧州に渡った難民は約30万人と前年同期より少ないものの、密航船沈没などによる死者は前年同期を大きく上回る3211人となっています。

1951年、実に65年前に締結された難民条約に基づいた枠組みだけでは、解決が困難であることは間違いないでしょう。

そんな背景があり、国連総会が今回のサミット開催を求めるに至ったのです。

難民問題の現状について詳しく知りたい方はこちら↓
『難民に関する最新データ発表! – 2015年の「難民問題」が4つのチャートで丸わかり。』
『今年は「難民危機最悪の年」となる可能性が… -上半期における衝撃の報告』
『そもそも難民ってどこから来てるの? ~世界の難民:その主な原因と出身地をまとめてみた』

ニューヨーク宣言

さて、今回採択された宣言の内容はどんなものなのでしょう。

宣言は「人道的対応と人権尊重」を謳い、受入や人道支援について「公平な責任の分担」を明記しました。

具体的に示されたコミットメントは以下の通りです。

Protect the human rights of all refugees and migrants, regardless of status. This includes the rights of women and girls and promoting their full, equal and meaningful participation in finding solutions.(全ての難民と移民の人権を、その地位に関わらず守る。これは女性と少女の権利を含み、また、問題解決における、彼女たちの充分で平等な、意味のある参加を促進する。)

Ensure that all refugee and migrant children are receiving education within a few months of arrival.(難民と移民の子供たち全員が、到着から2,3月以内に確実に教育を受けられるようにする。)

Prevent and respond to sexual and gender-based violence.(性的な、そして性差に基づく暴力を防止し、対処する。)

Support those countries rescuing, receiving and hosting large numbers of refugees and migrants.(多くの難民と移民を救助し、受入れている国々を支援する。)

Work towards ending the practice of detaining children for the purposes of determining their migration status.(移民地位の審査過程での子供の拘留をなくす。)

Strongly condemn xenophobia against refugees and migrants and support a global campaign to counter it.(難民と移民に対する差別を強く非難し、差別に反対するグローバルキャンペーンを支持する。)

Strengthen the positive contributions made by migrants to economic and social development in their host countries.(移民による受入国への経済的、社会的貢献を強化する。)

Improve the delivery of humanitarian and development assistance to those countries most affected, including through innovative multilateral financial solutions, with the goal of closing all funding gaps.(資金不足の解決を目指した革新的な多国間の経済的解決策等を通じ、影響下にある国々への人道支援と開発支援の分配を改善する。)

Implement a comprehensive refugee response, based on a new framework that sets out the responsibility of Member States, civil society partners and the UN system, whenever there is a large movement of refugees or a protracted refugee situation.(大量の難民発生や、長期的な難民問題が発生した場合、加盟国やパートナー、国連制度の責任を示した新たな枠組みに基づいた、包括的な難民への対応を実行する。)

Find new homes for all refugees identified by UNHCR as needing resettlement; and expand the opportunities for refugees to relocate to other countries through, for example, labour mobility or education schemes.(UNHCRによって移住が必要だとされた難民に新しい定住先を提供する。この際の他国への移住の機会を、労働移住制度や教育制度などを通して拡大する。)

Strengthen the global governance of migration by bringing the International Organization for Migration into the UN system.(IOM(国際移住機関)を国連に加入させることにより、国際的な移民の管理を強化する。)

 

以上に加えて、宣言には新たな規範につながるグローバル・コンパクトの採択を2018年までに目指す、という付属文書が含まれています。

宣言の全文はこちらから見ることが出来ます。(英文)

まとめ

国連は今回のサミットを「歴史的な機会」としています。

確かにこのサミットをきっかけとして、現状の国際社会の不甲斐ない難民問題への対応が変わっていく可能性は十分にあります。

しかし、宣言には具体的数値や政策が少なく、法的拘束力もないため、「役に立たない取決めだ」(アムネスティ・インターナショナル)や「具体的な実践に向けた合意がほとんどなされていない」(オックスファム)、「伝統的な国連のたわごと」(BBC)という批判も。

まさにその通り、、、と思ってしまいますが、難民問題は各国のエゴと利害関係が複雑に絡まっていることもあり、現時点はこれが国連の限界なのでしょう。

今後問題解決に向けた力強い前進を期待したいですね。

最後まで読んでくれてありがとうございました!それではまた!


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