こんにちは、メンバーのアンドレです。
昨日は衝撃の日となってしまいました。自棄酒をしていたのは僕だけではないはずです。
アメリカ大統領選挙の結果、共和党から出馬したドナルド・トランプ氏が、本命と目されていた民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を破り、第45代大統領に当選しました。
それの影響でしょうか、当サイト「和の手を世界に」も、昨日はサイト開設してから過去最高のアクセス数を更新しました!
うれしくないのに、うれしい!!
今回は、みなさんのその関心の高さに応えるため、トランプ氏がどのような移民・難民政策を行うのか、彼の公約と過去の発言から考察したいと思います。
トランプ新大統領の移民・難民政策を解説!
移民に関して、トランプが掲げる10の公約
まず手始めに、トランプ氏が掲げる、「『アメリカ・ファースト』を実現するための移民政策に関する10のポイント」という長ったらしい名前ですが、彼が自身の選挙webサイトに掲載していた、彼の公約を紹介したいと思います。
原文で読みたいという方は、こちらをご覧ください
- メキシコとの国境に壁を築き、工費はメキシコが払う
- 不法入国者は、強制送還されるまで収容施設に入れられる
- 罪を犯した外国人を、国、州、地方の法を駆使して国外に追放する
- 不法移民のシェルターとなっているいわゆる”Sanctuary City”を廃止する ※1
- オバマ大統領の「移民制度改革(不法滞在者の国外退去を緩和するもの)」は即刻効力を停止し、全ての移民法の効力を復活。国境警備隊の人員を3倍にする。
- 不法移民に対して、信頼できる効果的な制御メカニズムが構築されるまで、ビザの発給を一時的に停止する
- 送還国に対し、強制送還される自国民の再受入を確約させる
- 生態認証付の出入国管理を、全ての検問所、空海港に実装させる
- 不法移民の就職機会をなくす
- 移民制度を改正し、アメリカ人の利益にあったものとする
トランプ氏、シリア難民に対しての発言
次にシリア難民に対しては、トランプ氏はどのような政策をとり得るのでしょうか?
彼の発言から、それを読み解いていきたいと思います。
(正直、気分の悪くなる発言がいくつかあります。ご了承ください)
- 「治安の観点から、シリアとリビアからの移民を停止し、これらの国から入国を試みる者は”厳しい審査”が課される」
( 2016.9.2 ガーディアン紙) ⇒ 原文はこちら
- 「シリア難民はアメリカに対する”テロの脅威のみではなく、生活の質を揺るがす存在でもある”」
(2016.9.21 ガーディアン紙) ⇒ 原文はこちら
- 「私はシリア難民の子どもに面と向かって、『君はアメリカに来ることはできないんだよ』と言う事ができる」
(2016.2.8 CNN) ⇒ 原文はこちら
- 「もし私が当選したら約12,000人いるシリア難民全員を本国に送還する」
(2015.10.1 Huffington Post) ⇒ 原文はこちら
- 「イスラム諸国から人々全員の入国を禁止するつもりはなく、禁止するのは彼らの大多数だ、(それは特に)難民だ」
(2016.9.10 Huffington Post) ⇒ 原文はこちら
- 「オバマ政権が決定した、シリア難民の第三国定住プログラムは停止する」
(2016.10.28 Democracy Now) ⇒ 原文はこちら
- トランプ氏本人による2016.4.8のツイート:

これからの展開は?
ここまで書きましたように、トランプ氏は移民・難民に対して大変厳しい措置をとることを日頃から明言していました。
シリア難民に対しても、僕からしては「なぜ同じ人としてこんな事が平気で言えるんだ」と思わざるを得ませんでした。
しかし、アメリカの三権分立という制御システムが存在している限り、何でも議会の承諾なしで決める、独裁者のような暴走を行う事は不可能でしょう。
さらにトランプ氏が大統領選挙への出馬を表明した昨年から、一貫して主張していた「メキシコとの国境に大きな壁を建造する」といったことや、「不法移民を全員強制送還する」といった主張も現実的にかなり無理があるものと考えられます。
それぞれ理由は:
- メキシコ国境における壁については、アメリカとメキシコの国境約3,200kmをカバーする壁というものが、作るだけで試算何百兆ドルもかかり、メンテナンスで一年に何千億ドルもかかる、という財政面で現実的でないこと
- 不法移民の強制送還については、現在1,100万人いると言われる彼らを全員強制送還するということは、彼らの労働力をも手放すことにもなります。現在アメリカの労働者全体の13%を占める彼らを強制送還するということは、それだけアメリカ経済に大打撃を与えることになり、こちらも現実的ではないからです
トランプ氏は昨日の勝利演説で、「私はアメリカ人全員の大統領になる」と言い、激しい憎み合いを繰り広げてきたクリントン氏の支持者へ和解を呼びかける姿勢を見せました。
なので、彼の政策が現実的でない点に加え、リベラル層への支持拡大を狙うトランプ氏としてもすぐに過激な公約を実行に移すことを考えてはいないでしょう。
しかしながら、この彼の八方美人的姿勢が将来、移民・難民を危険なポジションに置く事になるかもしれない、というのが僕の恐れている事です。
この和解を呼びかける姿勢でアメリカのリベラルな層を取り込もうとすると、今までの「怒れるトランプ」を捨てることになります。しかしそれは同時に、彼に熱狂していたコアな支持者の心離れを招き、
その時もし、トランプ氏の支持率が暴
もしそうなった時に1番「手軽に」
このような未来にならないことを祈らざるにはいれません。
以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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