シリア内戦てそもそもなに 2

"Those War-Bruised People Who Will Soon be our Neighbours" https://faithlikeamushroom.wordpress.com/2015/09/14/those-war-bruised-people-who-will-soon-be-our-neighbours/

前回に引き続いて、今回はなぜシリアは内戦に突入したか、についての一つの考え方をご紹介します。

おさらい
アサド政権が「耐えた」のは
1. Facebookの低普及率
2. 海外と国内の温度差
3. メディアのハイジャック
が原因でした。

ではなぜ「内戦に突入した」のか。

開戦後に参戦したヌスラ戦線やクルド人民防衛隊など組織の詳細、この混乱につけこんで国際秩序の崩壊を狙うISには言及しません。ここではなぜこの時期に何が引き金となって内戦に突入することになったのかに着目します。

今回挙げるのは以下の3点。
1. アラブの春
2. 武器の密輸入
3. 海外の波

1. アラブの春

2010年末チュニジアでの一青年の焼身自殺から始まったアラブの春。アラブ各地に広まったデモ。シリアは比較的国内の社会格差が小さい国ではありましたが、国民はもちろん、国内外の宗教組織もこの波を受けました。

以前もご紹介したように、本当に平和を望む人はデモから引き下がりました。

そして政府バアス党(アラウィ派)は政教分離を唱えていました。それでも宗教間の対立は歴史の深いものなのです。

当初スンニ派が治めていたシリア。それを現在のアサドの父がクーデターを起こして政権交代(スンニ派→アラウィ派)。それまで差別していた、同じイスラム教と認めたくないアラウィ派が政権を握る。屈辱を感じる人ももちろんいます。そしてその宗教争いがこのアラブの春の波を受けて大きく台頭したのです。

2. 武器の密輸入

スンニ派のムスリム同胞団は1976年から1982年の鎮圧まで激しい反政府運動を行い、その終結から今まで、武器を溜め込んでいました。さらに、サウジアラビアの支援でレバノンやトルコから武器や爆発物が大量に輸入されてきたのです。

ここでアラブ諸国の2つの面が浮き彫りにされます。

ひとつは宗教による強い結びつき
サウジアラビアはスンニ派が大多数を占めます。そのため反政府勢力であっても、宗教が同じであれば支援をすることもあり得るのです。

首相が親中か、親米か。ヨーロッパ寄りか、ロシアよりか。このような首相の体勢が度々ニュースでも取り上げられるように、アラブ諸国内においては主力政党の宗派が国家関係に大きく影響します。

ふたつめは国力の違い
サウジアラビアはアラブ諸国のなかでも人口が多く(約2850万人)富裕層も多い。民衆の購買意欲も高く、アラブのマーケットを考える上でサウジアラビアの存在はかかせません。そのため欧米企業はサウジアラビアに不利なニュースの報道を控えるほど。

このような大国がいるからこそ、そして宗派による結びつき故の水面下の動きがあるからこそ、武器の密輸入が可能となった。これが反政府勢力が力を強める要因となったのです。

3. 海外からの波

メディアが反政府勢力を煽ぐような報道をしたというのは前回もお話ししました。この時期に起きた暴動について、海外、特にアメリカは政府軍の仕業としてアサド政権を頻繁に非難しています。

例えば2012年5月シリア、ホウラで起きた虐殺事件。アメリカ、国連は直ちに政府軍の仕業としてアサド政権を非難しました。しかし同年6月フランクフルター・アルゲマイネによると、どうも反政府勢力が、親アサド政権の住民を虐殺したらしいと。明らかになったのです。

なぜアメリカがアサド政権をこれほどまでに非難するのか。そこに大きく関わっているのがイランです。

イランは核保有国としてアメリカから長年非難されてきました。そしてイラン政府が武器提供をする、選挙活動もし、かつ武装闘争も行っているヒズボラ。この組織はシリアでも活動を続けています。イランの影響力を封じ込めるには、シリアにいるヒズボラを攻撃するのがよいと、そのようにアメリカは考えているのです。

そのため、世界の流れを「アメリカのシリア内戦軍事介入」へ向かわせるため、メディアが操作されたのです。これが反政府勢力、そして海外からの軍事介入への波を強めるきっかけとなりました。

以上、シリア内戦がなぜこの時期に、何が引き金となって内戦に突入することになったのかでした。

なお、2週にわたる「シリア内戦てそもそもなに」は、レバノン生まれのジャーナリスト、重信メイさんの著作「『アラブの春』の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命」をもとにしています。

宗教、国家関係が複雑に入り組んだアラブ諸国で始まったシリア内戦。自分の祖国が他者によって壊されていく。いつ爆撃に吹き飛ばされるかもわからない。この恐怖によって生まれたのが「シリア難民」です。
私たちがまずできること、それは彼ら難民についての知識理解をもつことではないでしょうか。そしてこの複雑な宗教・国家関係に少しでも見識を持つことではないでしょうか。

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