難民天国スウェーデン~その実態に迫る②難民インタビュー(前編)

スウェーデンからこんにちは!
日本はまだまだ暑いですが、夏でも涼しい白夜のスウェーデンからエレナが送る、難民×スウェーデンシリーズの第二弾!

今回は、スウェーデン在住の難民で、アフガニスタン出身の男性へのインタビュー(前編)です。
※スウェーデンシリーズ第一弾の過去記事はこちら

エレナは、2016年3月にギリシャの難民キャンプ出会ってから、翌月には自力でスウェーデンまでたどり着いた難民の彼と、7月にストックホルムで感動の再会を果たし、難民になった経緯や旅の様子について詳しく聞いてきました。

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インタビューさせてくれたアフガニスタン難民のハメドさん(27歳)

今回、彼の「日本のみなさんに難民の置かれた現実を知ってほしい」との熱い心意気から、顔出しもOK、タリバンに捕まった時の写真や旅の途中の写真まで提供していただきました。

アフガニスタンではタリバンに誘拐され、イランでは無実の罪で5年間監獄に収容され、ヨーロッパでは何度も暴行・逮捕・強制送還の憂き目にあいながらも、あきらめずにスウェーデンにたどり着いたという、強靭な肉体と精神力を持った彼の半生をご一読ください!

スウェーデン在住アフガニスタン難民の半生

誘拐・失踪は日常茶飯事?!超危険なアフガニスタンでの生活

現在27歳のハメドさんは、1989年にアフガニスタンの中流家庭に生まれました。

ハメドさんが5歳になる頃まで、一家は戦禍や混乱で危険なアフガニスタンを逃れてイランに住んでいたのですが、お父さんの仕事の関係で、アフガニスタンに戻らなければならなくなりました。

しかし、このことがその後の家族の命運を分けることになります。

キャプチャ

アフガニスタン(正式名称:アフガニスタン・イスラム共和国)は中東・中央アジアに位置する内陸国

なんと、アフガニスタンに帰ってすぐ、お父さんが役所の職務遂行中に失踪、そのままずっと行方不明となってしまい、一家は大黒柱を失ってしまうのです。

お父さんはその日、仕事で重要なものを運搬してたようなのですが、おそらく内部関係者の密告により、強盗にあい、そのまま殺害されたと考えられるとか。

ハメドさんは、このような知り合いや近所の人による裏切りで誘拐・殺人にまで至る事件は、アフガニスタンでは頻繁に起こることだと平然と話してくれました。

お、おっかない世界だな。。。

その事件でお父さんを失った一家でしたが、親戚のサポートやお母さんのがんばりで、ハメドさんら子供たちはすくすくと成長しました。

そして努力家の彼は猛勉強の末に工学部の大学生になり、エンジニアリングを学ぶかたわら、子供たちにジムでボクシングを教えたり、独学で英語を勉強するなど、充実した大学生活を送っていました。

しかしその後、そんな頭脳明晰な彼が努力して身に着けた特技の英語力が、あだになります

「通訳になれ!」タリバンによる誘拐と脅迫

ハメドさんは22歳の時、「英語が話せる」ことを理由に、イスラム過激派武装勢力タリバンによって誘拐されてしまうのです!

タリバンの要求は、彼が得意な英語を活かしてタリバンの通訳になることでした。

ハメドさんは当然、危険で非道なタリバンには入りたくないと断ったのですが、その結果さんざん拷問を受けた挙句、脅迫が家族にも及びました。

そんな彼が、タリバンに誘拐されていた時の貴重な写真がこれです!↓↓↓

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家族への脅迫写真①髪をつかまれるハマドさん

おいおいおいおいおい、これはなにかの冗談か?(笑)

と、この写真を見せられた時、エレナは顔は真剣に聞くふりをしつつ、心の中で吹きました。

だってカメラ写り意識した構成だし、画像もきれいだし、服装もキマってるし・・・なんかの映画みたいで作り物くさいじゃないですか。

そして二枚目がこれ↓↓↓

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家族への脅迫写真②同時に捕まっていた人と

ひぃーーーーー、殺される!!!(((ll゚д。ll人ll。д゚ll))) 神様助けて!!!

実はこれ、家族に送り付けられた脅迫写真なんです。

お前らの息子を誘拐した。このまま彼が言うことを聞かなければ殺す。お前らもただで済むと思うなよ!」と脅迫するために、わざわざ写真を撮ったそう。

だから若干わざとらしくて、まだ写真のデータも残っているのですね。

家族への脅迫写真の送付は、日本人人質事件で記憶の新しいISIL(イスラム国)もよくやっているかと思われます。

通常、タリバンから家族にこの手の写真が送り付けられた人の命はないそうなのですが、タリバンに相当見込まれていたのか、ハメドさんがしぶしぶ通訳になること承諾したところ、奇跡的に解放してもらえたのです。

しかし、タリバンに目をつけられた以上、家族も含めて危険に巻き込まれることや、国内に逃げ場がないことは明らかでした。

そのため、タリバンからの解放後すぐ、ハメドさんと母親、お兄さんと弟の一家4人は泣く泣く故郷を捨て、当時から難民先として評判が良かったスウェーデンまで逃げる決意をしたのです。

一家全員での国外脱出でスウェーデンを目指す

一家は密航業者に大金を払い、現在のシリア難民と同じルートでヨーロッパを目指します。

アフガニスタンから数週間かけて陸路でイランやトルコの内陸を通過し、トルコの沿岸でボートに乗って、ギリシャの島にたどり着きました。

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アフガニスタン⇒イラン⇒トルコまで陸路、トルコ⇒ギリシャはゴムボート

しかし運悪く、ハメドさんだけ捕まり、家族と引き離されて、強制送還されてしまったのです!(何らかの加減で、家族の誰か、特に父親や成人男子だけ引き戻される、という理不尽な話はよく聞きます。)

その後、他の家族は無事スウェーデンまでたどり着き、難民として認められて新しい人生をスタートさせました。

一方、アフガニスタンという危険なふりだしに戻された若いハメドさんは、家族と再会し、平和な土地で新たな自分の人生を切り開くため、すぐさま再び一人でスウェーデンを目指すことにしました。

ところが、彼が無事スウェーデンにたどり着くまでには、その後5年以上もの歳月がかかってしまうのです。

イランでの獄中生活

アフガニスタンから家族のいるスウェーデンまで、再度密航業者に大金を渡して旅をはじめたハメドさんでしたが、イラン国内の移動で手配された車に乗ったところ、なんと相乗りした車が麻薬の密輸容疑で警察に止められてしまいました

しかも運悪く、車の中にいた5人中、ハメドさんだけが麻薬中毒でなかったため、密輸の犯人として逮捕されてしまうのです!

そして運が良いのか悪いのか(←イランでは麻薬犯罪で死刑になったりするので)、5年の実刑を言い渡され、投獄されてしまいます。

刑務所生活中は、「ムスリムであれば当然アラビア語が読めるはずだ!」と看守から読めないアラビア語で書かれたコーランの精読を強要されたり(イランとアフガニスタンはペルシャ語)、毎日どんなに体調が悪くても早朝からたたき起こされて、メッカへのお祈りを強要されていました。

また、退屈を紛らわせ、勉強するためにわざわざ知り合いから差し入れられた貴重な英語の本は、「汚らわしい異教徒の本だから読んじゃダメ!」と即時没収されます。

看守自身もペルシャ語を話すイラン人なのでアラビア語のコーランは読めないはずなのですが、「自分は看守だから免除♪」とわけのわからない理論で一蹴。(アラビア語とペルシャ語の違い:外部リンク

もともとは普通のイスラム教徒であったハメドさんですが、刑務所の中ですべての理不尽がイスラムによって正当化される毎日を送ったことで、「これがイスラム教ならムスリムなんてやってられるか!」という気持ちになってしまったそうです。

アラビア語のコーランが読めなきゃムスリムじゃないならアジアやアフリカのイスラム教徒はムスリムじゃないですからね。。。

そして、そんな獄中生活が5年も続き、ようやく解放されたとき、ハメドさんは27歳になっていました。

私は人生において、20代の一番輝かしい青春時代を暗い獄中で過ごすことになりました。それを考えると、とても悲しく、悔しい気持ちになります。

しかし、今生きているだけでも奇跡的な状況なので、これからの人生を精一杯生きることに集中しようと思います。

これは、ハメドさんがインタビュー中にふとつぶやいた言葉です。

確かに、一般的に20代と言えば人生の中で最も輝かしい青春時代です。

仕事で成長したり、いろんな場所に行って新しい経験をしたり、友達や彼女と遊んだり、とにかく若さを武器に何にでも挑戦し、様々な経験から貪欲に学び、人間としての幅を広げてその後の人生の土台を作る時期ではないでしょうか。

しかし彼の壮絶なストーリを聞いた後では、20代で散々好き放題生きてきた自分の身を振り返ると恥ずかしくなり、「大丈夫!まだまだ若いんだし、人生これからいいことあるさ!」などといったうすっぺらい慰めの言葉をかけるわけにもいかず、その言葉にただうなずくしかありませんでした。

 

さて、少し脱線しましたが、イランでの辛い監獄生活でも腐らず、人生をあきらめなかったハメドさんは、そのまま家族のいるスウェーデンを目指します。

彼の壮絶な旅はこれから本格化しますが、長くなりますので、この続きは後編で!

 


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