どうも、メンバーのアンドレです~。先日やっと大学のテストなりプレゼンなりが全て終わり、ドイツでの最後の2週間を満喫中です!
最近大学が忙しく、このニュースまとめしか記事を書いておらず、そろそろ何か別なものも書きたくなってきています。
さて何を書こうか….(というか体験談がまたなおざりになってきてる….)
難民ニュースまとめ
先日、「先週の難民ニュースまとめ」では名前が長いという意見があったので、名前から「先週」だけをとってみました。しかし名前を削っても内容は全く削っていないのでご心配なく!!!笑
では振り返っていきましょう!
7/18 (月)
約100万人の #難民 が暮らす #レバノン で、「私はレバノンのシリア人」という難民FBグループができ、すでに3万人が相互協力や情報交換をしている。立ち上げたシリア難民のNidalさんは、「人々に希望を捨ててほしくない」と述べる。https://t.co/kazzxh9Oza
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 17, 2016
7/19 (火)
ドイツ南部ヴュルツブルクの電車内で、男が斧とナイフで乗客を襲撃。3人が重傷、1人が軽傷を負った。男はその後警察に射殺された。バイエル州のヘルマン内務相によれば、男は近くのオクセンフルトに住む17歳のアフガン難民で、動機は不明との事。https://t.co/b9s6q7P3oF
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 19, 2016
7/20 (水)
#Oxfam によれば世界のGDPの6割を占める6ヵ国(英米仏独中日)は世界の #難民 の9%しか受入ていない。逆に世界のGDPの2%を占めるレバノン、ヨルダン、パレスチナ、トルコ、パキスタン、南アフリカが世界の半分の難民を抱える。https://t.co/Bz5CS2XwKK
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 19, 2016
7/21 (木)
#ドイツ #ベルリン では、#難民 に対して無料の博物館ツアーがある。#世界遺産 #博物館島 の #ペルガモン博物館 では、#シリア難民 が自分達の持つ文化の深さに感動し、国だけでなく博物館も難民に対し開けるドイツに感謝している。https://t.co/PkYyMHnrqd
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 20, 2016
7/22 (金)
#国連 が9/19に #難民 と #移民 をテーマにした #国連サミット を開催すると発表。また9/20には、#アメリカ のオバマ大統領の招待で、参加国が #難民問題 を話し合う場を設け、解決に向けたさらなる枠組みを協議する模様。https://t.co/rMKDFuwYwD
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 21, 2016
7/23 (土)
【僕たちを探しに来て】#ポケモンGO に世界が沸く中、#シリア難民 の子供達がポケモンの絵を持つ写真がSNS上に流れた。「ポケモンがいれば、世界の人達が僕たちを探しに来て助けてくれる」と言いながら。 #PokemonInSyria https://t.co/0CaV5cAteW
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 22, 2016
難民ニュース、ピックアップ記事
金曜に紹介した記事で、9/19に難民と移民を議題にした国連サミットがニューヨークで開かれる、というものがありましたね。
そこでまたどんな声明が採択されるのか、今後ニュースを追っていき、新たな情報があればまた記事としても紹介したいと思います!
ついにドイツにもテロの手が・・・・
今回のピックアップ記事はまたそれとは別に、先週あったショッキングなニュースです。
月曜日の夜(日本時間は火曜日の朝)、僕がトルコのクーデタ関係のニュースを見ていたら突然速報として、あるニュースが飛び込んできました……

ヴュルツブルクにおけるテロ事件。 -南ドイツ新聞の記事より
URL: http://goo.gl/3Tva0R
ドイツ南部のヴュルツブルク近郊の電車内で、難民申請中の17歳のアフガン人青年 (実はパキスタン人という情報も…)が、斧やナイフで乗っていた乗客を切り付け、3人が重体、1人が軽傷を負った、とのことでした。
犯人はその後電車から逃走しましたが、偶然近くで演習をしていた特殊部隊員が対応、犯人が部隊にナイフを構え向かって行ったため、射殺されました。
この事件ではテロ組織、イスラム国 (IS) が犯行声明を出し、ドイツ当局も繋がりがあったという事は確認しましたが、どれほどの深い繋がりがあったのか、犯人がどのタイミングで過激化していったのか、まだ不明な点が多いようです。
さらには昨日起きたミュンヘンでの通り魔殺人事件。これは難民とも、動機もイスラム教とも関係がないと見られていますが、この犯人も18歳のドイツ人でした。
ヴュルツブルクの若い難民はなぜ過激化したのか?
このヴュルツブルクの事件を通じて、ドイツで再び議論され始めているのが、保護者のいない未成年難民を、どうやって過激派から守るか、という事です。
犯人であった17歳のアフガン人青年も、アフガニスタンから1人でドイツまで辿りついていました。
ドイツには現在、保護者のいない未成年の難民が約5万人いると見られています。
彼らが1人でヨーロッパにいるのには、様々な理由(注1)があります。
言葉が通じない新しい国で、難民申請が進まないために語学学校にも通えない彼らは、1日中、言葉の通じる同じ国の人たちと一緒にいるか、インターネットで時間を潰すことしかできません。
そこの孤独に、過激派が漬け込む隙ができます。
支持者を増やそうと難民施設に出入りし、イスラム教にあまり通じていなかった穏健なムスリムの難民を過激派に変えるサラフィスト(注2)たち。

ドイツで悪名高いサラフィスト、Pierre Vogel URL: http://goo.gl/b1HnNP
暇つぶしがてらインターネットに上がっているISなどのプロパガンダビデオを視聴し、思想に共鳴してしまう若い難民たち。
ここに、この「イスラム過激主義とは無縁であった」と周囲の人に言われていたこのアフガニスタンからの難民が、電車で無差別テロを起こすまでに急激に過激化した、と考えられています。
1. 強制結婚など、地域の風習を強制されるの嫌い自分たちの家族から逃走したケース
2. 難民として認められた後に家族を呼び寄せるためや、経済的な問題で家族によって1人で送り出されるケース
3. 家族とともにヨーロッパを目指したが、旅の途中で家族を亡くしたケース
など、様々なケースがあるようです。
「過激派から若い難民を守る」~ドイツの民間組織の活躍
実はこの若い難民の教育に関する議論は今に始まったことではなく、11月にあったパリの同時多発テロ(注3)のあと、新しくドイツに来た若い難民や、ドイツ生まれのイスラム教徒に対する「正しいイスラム教」の教育の必要性は幾度となく叫ばれていました。
しかし、受入の是非やその上限に関する議論が政府内で続き、ドイツ社会への統合政策に関する議論は最近までかなり等閑になっていました。
ではドイツでは、これら過激主義からドイツの若者、さらに若い移民・難民を守るためどのような活動が行われているのでしょうか?
今回は数あるものの中で、民間組織が行っている脱過激主義の支援を紹介します。
HEROES
2012年に南部の都市、アウグスブルクで設立されたのが、HEROESという社団法人です。
この団体は、いわゆるイスラム教の「名誉に基づく文化」出身の若者に対して、定期的に集会を開き、グループディスカッションを通して、「名誉とは何か」「男女平等とは何か」「男らしさとは何か」といったテーマについて考えています。

グループディスカッションの様子。-HEROESのHPより。
http://www.heroes-augsburg.de/?page_id=27
彼らは、親世代からの伝統の強制との葛藤をここで語り合い、ドイツ社会でどのように生きていったらいいのか、ということを意見の交換を通じて学んでいくそうです。
このような場を設けることは、いわゆる「西洋的価値観」を学ぶ以外でも、彼らに同じ悩みをもった人たちとのコミュニティを作る役割を果たし、孤独から解放し、サラフィストといった過激主義から遠ざける意味でも大きな役割を果たしています。
HAYAT
もう一つは、HAYAT(アラビア語、トルコ語で「命」という意味)という、2011年に設立された相談所です。

HAYATのロゴ – HAYATのホームページより
ここは主に過激主義に傾倒しそうになっている人や、すでに傾倒し組織に入ってしまった、さらにはジハディスト(注5)として中東地域に家族や友だちが行ってしまった人が相談することができる団体です。
もとはネオナチといったドイツの極右主義に傾倒してしまった若者支援団体が基礎にあり、そこからイスラム過激主義を防ぐ団体へと発展しました。
最初はトルコ系の若者が主な対象でしたが、ISといったテロ組織の台頭で、たくさんのドイツの若者がジハディストとして中東の戦場に向かってしまったこと、その原因がドイツ国内の過激なサラフィストに影響されていたことにあったことから、現在またその役割に注目が集まっています。
まとめ
もちろん、サラフィストといった過激思想を広める人を取り締まることが彼らを守る一番の近道ではあるでしょう。
しかしドイツはナチス時代の反省から、思想・言論の自由の制約がかなり難しいといった側面があり、法整備が進んでいないのが現状です。
そのような中で、悩み多き若者たちに寄り添い、声を聞いてあげ、過激主義に傾倒する隙を与えないこれら団体は活躍は現在、欠かすことのできないものとなっています。
今日は以上です!来週もまたお楽しみに!
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