こんにちは!メンバーのアンドレです。
今日は日曜日、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
日本は猛暑と聞いていますが、こちらベルリンは先日なんと20℃を下回り、しまったはずのセーターを再び取り出すという事態が起きました!
夏はいつになったら来るのやら…..。
難民ニュースまとめ
先週はイギリスの新しい首相が決まったり、アメリカやドイツでPokemon GOが配信されましたね。
Facebookなどでニュースを見ていても、いつも何かしらのポケモン関係の記事があり、それで育った世代としてはなんか嬉しいものがありました。(僕はまだ始めてませんが笑)
それでは、そんな影に隠れながらも流れていた、先週の難民関連の記事を振り返りたいと思います!(今回は番外編もあり)
7/11 (月)
#ギリシャ の #レロス島 で、 #難民 に対する地元住民からの攻撃が続いていることから、現地で働く #ボランティア までが、ターゲットになる事を恐れ撤退を始めている。レロス島では現在、推計8400人の難民がいると見られている。https://t.co/w1hrKYX18x
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 10, 2016
(番外編)
【番外編】
穴に落ちた子犬たちをキングコブラが守ろうとした、という話。記事の最後の一文:「この話は、地球上最も危険な生物でさえ、危険に直面している他のものを助けるという意味を理解している事を証明している。」さて人間はいかに? #難民https://t.co/A0ejzsDxlV— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 11, 2016
7/12 (火)
【ハサンの旅】#BBC が #難民 にカメラを預け #トルコ から #ヨーロッパ までの旅を撮影してもらった映像シリーズ第一弾。ゴムボートの中での難民たちが励まし合う姿、悲鳴、焦燥、全てがリアル。#hassansjourneyhttps://t.co/VNIAyRGqa1
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 11, 2016
7/13 (水)
【難民とデザイン?】#UNHCR と #IKEA が #難民 を助けるためのデザインを5月に募集。その最優秀作品5点が発表された。クールな上便利なIDカードや、ヒッピー風な難民テント。他にはどんなデザインが選ばれたのか!?https://t.co/HAIttHkHdQ
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 12, 2016
7/14 (木)
#EU が加盟国共通の #難民 再配置案を提議した。EU外の第三国にいる難民しか再配置の対象としない模様。しかし、反対する加盟国がある上、人権団体からも批判がある。今日まで中東の第三国からEU諸国には8268人の難民が再配置された。https://t.co/6Am9Xv6Y6G
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 13, 2016
7/15 (金)
#ハンガリー の警察や軍隊が、違法に入国を試みた #難民 を縛り、暴行を加えてセルビアに送還している、と人権団体が報告。それによれば先日も、30-40人の子供や女性が多数を占めるグループが捕まり、2時間に渡り暴行を加えられたとの事。https://t.co/2juDNCBShh
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 14, 2016
7/16 (土)
#フィンランド 税関が、#難民 が #ロシア から来る際に使ったソビエト時代の古い車100台をオークションにかけた。航海を恐れる難民は陸路からロシアを経由しフィンランドに入る。ここから今年最初の2ヵ月で約1000人の難民が入国した。https://t.co/fmkrzt1wkW
— 和の手を世界に – JFR (@wanotewosekaini) July 15, 2016
難民ニュース、ピックアップ記事
月曜に番外編としてTwitterに投稿した、「キングコブラが子犬を守った」という記事は、ダラダラとFacebookのタイムラインを見ていた時に偶然見つけました。
ただ、この記事の最後に書いてあった
“This story proves once again that even the most dangerous creatures on Earth know what it means to help another being when it’s in danger.”(この話が証明していることは、地球上最も危険な生物でさえ、危険に直面している他のものを助けるという意味を理解している、という事だ。)
この一文を読んだ時、難民問題に対する人間の対応を、皮肉を交えて批判しているようにしか聞こえなかったので、【番外編】という形で投稿してみました。
それにしても、キングコブラと子犬2匹のスリーショット、この違和感は何でしょうか。(笑)
では気を取り直して。
今週は僕たちにも目から鱗の記事がありましたので、そちらを紹介したいと思います!
難民とデザインが出会ったら?
水曜日に、【難民とデザイン?】という題で記事を1つ紹介しました。
内容は、オランダのデザイン団体が行った、What Can Designers Do To Help(デザイナーが助けられることは)という難民を助けるためのデザインの募集を世界へ呼びかけたのに対して、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)とIKEAが協力して実現したデザインコンテストが、つい先日行われた、というものです。
今日はそこで、70ヵ国631候補の中から選ばれた、最優秀作品5点を紹介したいと思います!
クールで多機能なIDカード

こちらは、RFIDチップを使用した(電車の改札でピッてするICカードとかもこれの一種です)、難民1人1人に作られる緑色のIDカードです。
その名はズバリ、Welcome カード!
表面は現在の難民IDカードのように、難民1人1人の個人情報がただ書かれているだけなのですが…..、
このカードを例えば難民局のリーダーで読ませれば、その人の個人情報や、難民申請過程の確認などがすぐにできます。
協定を組んだ公共交通機関、文化機関、語学学校、無償で受けられる食事の提供など、これ1枚で全て、すぐにサービスが受けられるようになる上、難民1人1人のニーズに合わせたカードの設定も可能となります。
使用者がこのカードを使用するためには、PINコードが必要となるので、悪用もできません。
しかもこのカードをEU加盟国、全ての国で導入すれば、申請者が二重の難民申請をしていた場合、データベースからすぐに照合することが可能であり、現在問題となっている難民の把握、という点でも大いに活躍するでしょう。

ドイツで発行される、難民証明書。(個人情報の部分は黒塗りにしています)
こちらは例えば、ドイツで発行される難民証明書です。
見ていただければ分かるようにただの紙切れで汚れやすく、しかも紛失した際の再発行がめんどくさいらしく、所持者はいつも大切に肌身離さず持っていました。
ICカードのような、丈夫なカードになれば、そういう面での心配もなくなりますね。
ヒップスター風、仮設住宅

わらで作られた壁、画布で作られた屋根、さらに玄関先には自分たちで野菜を栽培する畑。
このAGRIshelter(農業シェルター)は、低予算でさらに数時間で完成してしまう35㎡の仮設住宅です!!
わらは夏は通気性がよく、冬は保温効果もあり、画布の屋根は水をはじき、住人を太陽からも守ってくれます。
しかも家の前には自家栽培ができる野菜畑までが!!
なんともまあ、ヒップスターな人が好みそうな家!(笑)
これで難民の住居問題、さらに都市部の貧民街問題も解決に向かうかも?
移動式キッチン

これは、Eat&Meetというカナダとフランス、モロッコのデザイナーが協同で考案した、難民たちが自分たちの国や家庭の料理を提供する、移動式のキッチン&レストランです。
このプロジェクトが何に貢献するのか。それは、難民の労働市場への参加を可能にし、しかも収入を得ることができるようになり自立が進み、さらに何より受入国社会への統合が容易になるという点がまずとても大きいでしょう!
さらに1週間に1つ、料理のレシピとその人のストーリーが書かれ、52週間後に1冊の本として出版される予定で、さらに多くの人により詳しく難民1人1人の事を知ってもらうことができます。
移動式であるため、労働VISA等の条件が揃えば、ヨーロッパ内の他の国や地域へのツアーも可能となります。
この案ではありませんが、難民に自分たちの国の料理でファーストフード店を営んでもらう、というアイデアはすでにパリで実用化されていて、シリア難民たちが実際にシリアの料理を提供しています。
パリでの話は以前、Twitterの記事紹介でも1度載せていますので、興味のある方はぜひそちらも見てみてください!
このプロジェクトがさらに広がり、さらにEat&Meetという名前に込められているように、食を通して難民と受入国の人が出会い、そこでの相互理解が深まればいいですね!
難民の、難民による、難民のためのオンライン写真ショップ

ここ数年、メディアの一面を賑わせている難民たちの写真。絶望の航海を終えギリシャにたどり着いたばかりの写真や、キャンプで汚れながらも無邪気に笑う子どもたちの写真……..。
これら難民の写真を、難民自ら撮り、それをオンラインショップで販売して自分たちの収入の足しにする。
オランダの2人のデザイナーが考えたこのReframe Refugeesというアイデアはこれらを可能にします。
「なぜこんな単純なことに気づかなかったのか!」と、これを見た時に僕の中で雷が落ちました(笑)
難民たちの写真は、難民たちが一番撮る機会があり、さらに誰もがカメラ付きの携帯を持つ今の時代では、写真を撮るなど簡単なことです。
そんな彼らに、自分たちの写真を撮ってもらい、写真の背景の説明、人物の紹介を付け、メディアに対しオンラインショップで販売する。
わざわざ出向く必要のないメディアにも、新たな収入ができる難民にも、一石二鳥のアイデアではないでしょうか?
難民によるデザインスタジオ

最後のデザインは、Makers Uniteという、難民の中にいるアーティストやデザイナーに仕事の場を提供するものです。
難民たちが危険な航海で使用したライフベストから、ハンドバッグを作る、アクセサリーを作る。難民たちの中にも、優れたデザイナーはたくさんいるんです!
シリア人デザイナーのHend Charaf氏はインタビューで、「このMakers Unitというプロジェクトは、祖国を追われたデザイナーたちが、尊厳を取り戻したり、地域と繋がったり、新しいネットワークを構築したり、生活を新たに始めたりする上で、最初の一歩を与えます。」と、述べています。
僕がイドメニで出会った友だちにも、シリアで趣味でやっていた針金アートで、現在もギリシャの難民キャンプで生活しながら数々の新しい作品を発表し続けているアーティストがいます。

シリア人のアーティスト、親友のMahran

ミニチュア自転車。作業は全てハンマーとペンチと手だけで行っている。

クジャクをかたどった置物。
こちらも彼らの持つ可能性を広げる、素晴らしいアイデアですね!
まとめ
こちらのページでは、今紹介した最優秀作品5点の詳しい機能などが動画などでも紹介されています。
難民問題というテーマを通じて、新たなデザインを生み出す。これらのアイデアたちが、実際に難民たちによって使われている所を早く見てみたいですね!
久しぶりにワクワクさせてくれる記事に出会えました。みなさんはどう感じましたか?
今日は以上です!来週もお楽しみに!
※ アイデア関連の写真は、全てこちらのWebサイトの写真を転載しています。
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