“Brexit”が難民に与える影響 -難民ニュースまとめ vol.4 (6/27-7/2)

みなさんこんにちは!7月に入り、こちらベルリンの大学ではテスト勉強やらレポートの提出で図書館や自習室がいっぱいになってきました。

サッカーのヨーロッパ選手権もこれから準々決勝、ドイツ対イタリアの試合がもうすぐ始まろうとしており、ベルリン中がサッカー一色になろうとしています。

難民ニュースまとめ

では日曜日のおなじみ、「難民ニュースまとめ」のコーナーを今日もやっていきたいと思います!先週はどんなニュースがあったのでしょうか?

6/27 (月)

6/28 (火)

6/29 (水)

6/30 (木)

7/1 (金)

7/2 (土)

 

難民ニュース、ピックアップ記事

今回はフレッシュな話題、“Brexit”に関連した記事をピックアップしたいと思います。

このBrexitで特に争点となったのが、EUの官僚主義移民問題でした。移民問題とは、難民問題を直接的に意味している訳ではなく、主にEU諸国の「移動の自由」の原則を元に入ってくるポーランド系といった東欧移民に対する不満を意味していましたが、その議論の中で、EU離脱を支持していた「英国独立党(Ukip)」のNigel Farage党首がこのようなポスターを作成しました。

難民が歩くポスターの前に立つFarage党首

移動する難民たちが写るポスターの前に立つFarage党首

このバルカン諸国を歩く難民たちが写ったポスターに対して、「人種差別的だ」という批判が多数あり、結局Farage党首も謝罪をしましたが、難民問題が少なからず英国のEU離脱に影響を与えていたことが伺えます。

しかし、実際にBrexitが難民たちに与える影響はどこにあるのでしょうか?今回は、この「Brexitが難民たちに与える影響とは?」と名打たれた、IRINの記事を解説したいと思います。

この記事によれば、Brexitによって一番影響を受けるのは、英国に住むEU圏からの移民です。移動の自由を保障するEU圏から英国が離脱した後は、彼らは英国にいる権利をなくすからです。

しかし難民に関しては、昨年9月にEU諸国内で合意された「再配置決議」で、16万人にも及ぶギリシャやイタリアいる難民のEU圏内での再配置には応じなくてもよくなる一方で、「EU圏内で最初に難民申請を出した国に送還する権利与える」いわゆる「ダブリン協定」の効力もなくすことになります。

それに加えて、フランスとの2国間で合意されていた国境管理協定で、「カレーにいる数千人の難民たちの英国入りを阻止する」というものも効力を失うと見られています。詳細はこちらのロイターの記事をご参照ください。

つまり、移民の合法的な流入は防げるが、非合法的に入国を試みる難民の流入を防ぐことはできない。ということになります。

Migration Policy Institute のElizabeth Collett局長はインタビューで、「英国の離脱により、難民のEU圏内での再配分に関する交渉は進むであろう、しかし、英国がナイジェリアやパキスタンといった難民発生国に対して持っている影響力を失う」と述べ、難民問題の根本的な解決が難しくなることを示唆しました。

しかしさらに危惧されていることは、このBrexitにより右派が勢いを増し、難民を巡る政治情勢が変化することです。

このアマチュアビデオは、Brexitの後、路面電車の中で右派の若者が移民に対して人種差別的な暴言を浴びせてる様子を撮影したものです。今後、このような人種差別に基づいた犯罪が増えることが懸念されている上、これら右派の勢力が増えることや、または増えることを懸念する現在の政治家により、移民だけでなく難民の受け入れにも慎重になる可能性がある、というのが、難民たちにBrexitが与える一番大きな影響と見られています。

イングランド、シェフィールド大学のAndrew Geddes教授はそれに加えて、「このBrexitの流れが他のEU諸国にも波及した際、イタリアやスウェーデンでの「EU懐疑主義者」たちが、難民をスケープゴートにする形で、移動の自由を保障する「シェンゲンゾーン」の撤廃やEUの機能不全が語られる恐れがある。」と述べています。

もしそうなれば政治家たちも、EUの改革という長いスパンで考える必要がある問題より、難民の流入を防ぐという短いスパンで解決が可能である問題にフォーカスをあてることになるでしょう。

難民たちにとってこの最悪のシナリオが起こらないことを願いつつ、今後の政治情勢を見ていきたいと思います。

今日は以上です!よい日曜日をお過ごしください!


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