ISの性奴隷であった女性、国連親善大使に任命される- 難民ニュースまとめ vol.15 (9/12-9/17)

みなさんこんにちは!日曜日、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

メンバーのアンドレです。

最近時間の流れが速く、気がついたらいつもこのコーナーを書いている気がします。

今日からニューヨークで「難民と移民に関するサミット」が開催されます。詳しくはこちらの国連広報センターの記事を読んでみてください。

私たち「和の手を世界に」でも、この会議での内容、採択される見込みである「ニューヨーク宣言」を会議が終わったタイミングで紹介しようと思っています!

 

難民ニュースまとめ

9/12 (月)

9/13 (火)

9/14 (水)

9/15 (木)

9/16 (金)

9/17 (土)

 

難民ニュース、ピックアップ記事

実際、今週はどの記事もピックアップして詳細を書いていきたいものばかりなのですが、その中でも、昨日ツイートしたナディア・ムラドさんの記事が個人的に一番印象的だったので、今日はそちらをピックアップしたいと思います!

 

ISの性奴隷であった女性、ナディア・ムラドさん

ナディア・ムラドさん23歳。

クルド人の一派、ヤジディ教徒である彼女は、イラク北部シンジャル地方の農村で生まれ育ちました。

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シンジャル地方の位置

(補足)ヤジディ教とは、世界最古の宗教の一つで一神教の宗教です。ゾロアスター教やキリスト教、イスラム教、スーフィズム、太陽信仰の要素など、様々な宗教の要素を含んでおり、12世紀にイスラム教から派生し、異端とされたスーフィズムのコミュニティから今の形になったと考えられています。他宗教の人との結婚が禁じられているなど、かなり閉鎖的な宗教と僕は印象を持っています。ちなみに僕がボランティアとして働いていたギリシャの軍営キャンプでは、半分以上の人々がこのヤジディ教徒でした。みんな、おまじないとして赤と黄色の糸で織られたミサンガを腕や首に着けているのが印象的でした。

 

しかし、2014年にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が彼女の村を襲撃、彼女の6人の兄弟はみんな虐殺されます。

当時21歳であった彼女は、村に住む他の150人の女性とともに、「イスラム国」が支配するイラク第二の都市、モスルへと連行され、そこで兵士たちに性奴隷の贈り物として引き渡されました。

そこで性奴隷として、何人もの男たちの手を渡ります。

しかし3ヵ月が経った頃、兵士の一人が施錠を忘れたことに気づき逃亡。近所の人に助けてもらい、ついに脱出を果たします。

その後は難民としてドイツに渡り、現在は南部の都市、シュトゥットガルトに住んでいます。

彼女が有名になったのは2015年12月、国連で初めて開かれた、人身売買への対応を考える安全保障会議で彼女がスピーチをした事でした。

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国連の会議でスピーチをするナディアさん。URL: https://goo.gl/cLc7VX

“The Islamic State (sic) didn’t come to kill the women and girls, but to use us as spoils of war, as objects to be sold with little or to be gifted for free.” (「イスラム国」は女性や子どもを殺しに来たのではなく、私たちを戦争の戦利品として、物として安い値段で売り渡す、またはプレゼントとしてタダで渡すために来たのです。)

このスピーチの中で、彼女は自分が体験した怖ろしい経験、現在も苦しんでいる多くのヤジディ教徒の仲間や他の難民たちの窮状を訴えています。

彼女のスピーチを聞いた多くの出席者もこの時は涙を堪えることができず、目を押さえていたそうです。

その時のスピーチがこちら↓

 

国連親善大使に任命される

そんな彼女が昨日、国連の虐殺と人身売買を訴えるための国連親善大使に選ばれました。

国連は声明で、

「彼女は親善大使として、数えきれない人身売買の被害者に対する権利擁護の取り組みや、彼らの窮状を広めるための活動をしてもらいます。残虐行為からの生還者の任命は初めてであり、これは栄誉とともに授けられるものです」

と発表しています。

私たちの想像の及ばないような恐ろしいことを経験し、まだ心の傷が癒えない中でその体験を訴え、さらにいまだ苦しんでいる仲間たちへの支援の手を差し伸べることを訴えるナディアさん。

彼女の計り知れない勇気と強さを感じました。

さらに彼女は、今年のサハロフ賞、さらにノーベル平和賞の候補にもなっています。

(補足) サハロフ賞とは、正式名称「思想の自由のためのサハロフ賞」と言い、欧州議会が毎年、人権と思想の自由を守るために献身的に活動した人に贈っている、「ヨーロッパのノーベル平和賞」とも言われる賞です。旧ソ連の物理学者で、反体制運動家であったアンドレイ・サハロフの名前が付けられています。ちなみに初の受賞者は、1988年、南アフリカの元大統領のネルソン・マンデラです。

これからの彼女の活躍、そしていまだ「イスラム国」の下で苦しんでいる人々が一日でも早く解放されることを願ってやみません。

今日は以上です!よい3連休をお過ごしください!


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