世界最大の難民キャンプ、閉鎖の危機 -難民ニュースまとめ vol.1 (6/3-6/11)

「和の手を世界に」のTwitter アカウントでは、その日に起きた、タイムリーな難民関連のニュースや各紙の難民問題に対するオピニオン記事などを、毎日、1ツイートずつ配信しています。

普段日本にいてはあまり親しみのない、海外のメディアを中心に紹介していますので、「難民問題についてもっと知りたいけど、日本のメディアじゃあまり分からないからなー」という方や、「英語(ドイツ語)の記事を読んで、語学力の向上に活かしたい!」という方。

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そして今日から毎週日曜日(今週は担当メンバーがスコットランド旅行から帰ったばかりで月曜日になってしまいましたが(汗))には、その前週におきた記事をまとめてもう一度紹介し、そこから一つピックアップした記事を詳しく解説する、「先週の難民ニュースまとめ」というコーナーを始めます!

 

難民ニュースまとめ

今週は初回という事で先々週の木曜開始であったため、10のニュースをまとめた豪華版からのスタートです!

 

6/2(木)

 

6/3(金)

 

6/4(土)

 

6/5(日)

 

6/6(月)

 

6/7(火)

 

6/8(水)

 

6/9(木)

 

6/10(金)

 

6/11(土)

 

難民ニュース、ピックアップ記事

今回、この中で一つピックアップする記事は、6/3(木)に投稿された、ケニア政府が、世界最大の難民キャンプを閉鎖すると発表したことを伝えた、BBCの記事です。
ケニアのルト副大統領は、5月末に開かれていた「世界人権サミット」の場で、ケニアにある、主にソマリア人と南スーダン人約60万人が住む「ダダーブ難民キャンプ」が、「アルシャバブ」といったテロ組織の隠れみのになっているとし、閉鎖すると発表しました。

ダダーブキャンプは、1980年代に始まる「ソマリア内戦」により多数の難民が生まれたことにより、1991年より国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって組織されて以来、25年続く世界最大の難民キャンプです。
UNHCRの調査よれば、キャンプに住むソマリア人の内58%が17歳以下で、そのほとんどがキャンプで生まれ育ち、ソマリアでの生活を経験したことない人々です。

この問題をさらに詳細に記事にしたガーディアン紙によれば、このキャンプの閉鎖は、国内のテロに対するケニア国民の不安の払拭や、35%と言われる失業率を難民たちに責任転嫁することで、来年の選挙に向けた政府の戦略であるという見方が強いそうです。しかし、サミットの場で述べたケニアの副大統領の言葉や、ウガンダ首相の言葉、そしてそれに対するヨーロッパの反応にも、一考の余地があると私は思いました。

ルト副大統領は、「この会議は、人権と責任の分担がテーマだ。イギリスは5万人を、アメリカは10万人の難民を受け入れられるであろう。その他の国々は5000人を受け入れられる。分担は可能なはずだ。…(中略)…この場に本当に分担される責任が存在するならば、いくつかの国々が、『私たちは5000人を受け入れる』、『私たちは1万人を受け入れる』と声をあげてもおかしくないはずだ」と述べました。
難民が経済へのよい効果を表しているウガンダのルグンダ首相は、「難民たちの能力を、国内経済に活かす道もある」と述べた一方で、「ウガンダはアフリカでも最も難民を受け入れている国の一つである。私たちはその事を誇りに思っているが、全ての国が役割を果たすところを見てみたい」と述べました。

これに対してデンマークのカム難民評議会議長は、「EUという共同体の中ですら解決できないのに、世界規模での(難民の)再配置が上手くいく訳がない。…(中略)…人道支援と開発援助を強化し、難民たちの地域への統合を促進していくべきだ」と反対しました。

ケニア政府が難民を数で考え、自分たちの政治権力を維持するために、60万人といった人々の命を危険にさらすことは、決して許されることではないでしょう。しかしこのサミットで、難民を東アフリカの国々に押し付け、今までお金を出すだけで知らん顔をしてきた欧米諸国の存在も、このケニアやウガンダの主張で浮き彫りになりました。アフリカ全体が強いられている負担を、この2ヵ国が代弁したように私はこの記事を読んで感じました。

すでに徐々に動き始めている閉鎖の動き。多くの難民の運命が危ぶまれる中、欧米諸国や日本が知らん顔を貫き通すのか。今後のダダーブ難民キャンプのニュースも追っていきたいと思います。

以上、「先週の難民ニュースまとめ」でした!

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