もし東京がシリアだったら。2

この記事は『もし東京がシリアだったら。』の続編です。


もしあなたが難民だったら。

これは、いま、私たちの世界で起こっていることなのです。

もし東京がシリアだったら。

もしロンドンがシリアだったら。

 

避難所で新しい誕生日を迎えた女の子。

救助されてから一年の間に、笑顔を見せられるようになった。一緒に笑う友達もいる。

でも、避難キャンプの食事は不十分で、お母さんが自分のために我慢している。

途中ではぐれてしまったお父さんにはまだ会えていない。

国内での戦闘は拡大の一途を辿り、不安が広がっていく。

今いる場所が安全でなくなる日も近い。

 

クリスマスの直後、キャンプは襲撃に遭う。

戦闘機が頭上を飛び交うようになった。

安全な場所を求め、突然の銃撃をくぐり抜けながら、進む。

イギリスとフランスをつなぐドーバー海峡を渡れば、この国から逃げ出せる。

 

ようやく海岸に辿り着いた。

でも、ボートに乗れるのは、あと一人だけ。

戦闘はもうすぐそこまで迫っている。

「絶対にあなたを見つける。」

お母さんと離れたくない。

でも、ここで別れるしかない。

 

一人乗り込んだ粗末なボートは、地獄だった。

赤ちゃんの泣き叫ぶ声、嵐、雷、高い波。

少女は冬の海に投げ出された。

 

海岸で救助され、病院で目を覚ます。

お母さんへの唯一の連絡手段である携帯はもう動かない。

隣のベッドには、同じボートに乗っていた男の子。

彼の両親は溺れ死んでしまった。

 

少女は彼を連れて、ドイツを目指して歩き始める。

すれ違いざまに罵られても、誘拐に遭いかけても、メディアに断りもなく写真を撮られても、男の子を守って、必死に進む。

他の選択肢なんて、どこにもない。

少ない食べ物は男の子にあげた。

「私はお腹空いてないから、大丈夫だよ。」

少女はお母さんのことを思い出す。

 

フランスから電車に乗って辿り着いたドイツ。

『Refugees Welcome(難民歓迎)』の看板を横目に通り過ぎる。

ようやく安全な場所で暮らせる。

もう逃げなくていいんだ。

事務的な声が聞いてくる

「あなたたち、家族?親戚?」

「いいえ。でも、、」

 

つかの間の小さな幸せ。

安全な場所で、もう家族同然となった男の子と暮らす。

少女には、もうお父さんもお母さんもいないのだ。

一緒にふざけたり、歯を磨いてあげたり。

この子は私の弟。これからも一緒に生きていく。

 

「アルフィーの里親になってくれる人が見つかったわ」

突然、その弟もいなくなってしまう。

彼女は全てを失ってしまった。もう、一人ぼっちだ。

 

難民申請のために書類を作成する日。

「あら、今日が誕生日なのね、おめでとう!えーと、あなたのご両親の名前教えてくれる?」

「リリー、辛いのはわかるわ。でも教えて、あなたのご両親の名前は?」

次の誕生日、もう彼女には、心からおめでとうを言ってくれる人すら残っていなかった。

最新の統計によると、国外に避難したシリア難民は、490万人といわれています。

難民全体の51%が18歳以下の子供です。

シリア難民の中には1万5525人の一人ぼっちの子どもがいます。

2015年は合計、101万5000人が地中海を船で渡り、同時に、3,771人もの人々が船の転覆などを通じて亡くなった、または現在も行方不明となっています。この数字にも驚くほど多くの子どもが含まれています。

このビデオは難民危機のありのままを描いたものなのです。

この「もしロンドンがシリアだったら」という設定の上に作られた架空の物語は、今まさにシリアからヨーロッパへ避難している人々に起きている現実です。

私たちの目の前で起こっていなくても、私たちの世界で起こっていることなのです。

 

動画を見て、考えてみて下さい。

もし東京が、日本が、シリアだったら。

遠く離れた日本からでも、私たちに出来ることはあるはずです。

 

もしアメリカがシリアだったら

他にも『もし自分が難民だったら』という視点で作られた動画を紹介します。

難民の日、6月20日に発表された、アリシア・キーズの「Let me in」。

アメリカ、ロサンジェルスで戦闘が発生し、人々がメキシコへ逃れる過程が描かれています。

彼女は今回難民支援をしている3つの団体とともに、「もし難民と同じ状況に置かれたらどう感じるか?」という問いを投げかけるとともに、「難民の人々は一人ではなく、自分たちが共にある」ということを伝えています。

実際の難民の状況は、このビデオと比べ物にならないほど厳しいものですが(ほとんどの難民は命を賭して海を越えなければならず、また、国境は閉ざされています。)、アメリカの人々が難民について考えるきっかけとなるという点で、素晴らしい試みだと思います。

難民問題とは異なる政治的主張がかなり含まれていることは否定できませんが、、、

もしこちらを既にみた方がいれば、一つ目の動画の方が事実に沿っている、ということを知っていただければと思います。


このビデオを見て、自分も何かしたいと思った方、ぜひ他の記事も読んでみて下さい。この記事以外にも、難民問題について様々な角度から記事を用意しています。

最近メッセージで質問や感想を頂くことが増えてきました。丁寧に返信していますので、お気軽にご連絡ください。他にも何か記事を書いてほしいテーマがあれば教 えて下さい。私たち「和の手を世界に」は皆さんが難民問題について関心を持ち、考えていく助けになれればと思い、活動しています。

それでは、今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!また!


(eyecatch URL: http://www.welhous.com/designart/michal-zaks-destroyed-capitals-artwork/ )

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