もし東京がシリアだったら。

私たちの目の前で起こっていないからといって、

「起きていない」という意味にはなりません。

もし東京がシリアだったら。

もしロンドンがシリアだったら。

 

誕生日ケーキのロウソクを嬉しそうに吹き消す女の子。

家族と暮らし、学校に通う、普通な、幸せそうな彼女の後ろでテレビに映る、不穏なニュース。

爆撃や銃声と共に彼女の平和は崩壊していく。

銃弾に怯え、十分に食べることもできず、シャワーも浴びれない避難生活。

恐怖によるストレスで髪は抜け、途中で父親と離れ離れになってしまう。

無残に破壊された街の中、声を上げて泣くこともできない。

救助され避難所で迎えた次の誕生日、彼女はロウソクを吹き消すことも、笑うことすらも出来なくなっていた。

 

世界最大の難民発生国、シリア。

2011年に始まり、今もなお続く内戦の死者は47万人、負傷者は190万人といわれる。(データは2016年3月16日時点のもの)

内戦により、シリア人の平均寿命は20年減少し、ほぼ100%だった就学率は今やその半分にも満たない。

開戦から2015年までの間に160回を超える化学兵器の使用があり、その死傷者は16000人を超える。

国外へ脱出した難民は480万人を超え、その中には1万5525人もの一人ぼっちの子どもがいる。

シリア内戦により21世紀最大の人道危機が生じているとされている。

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内戦前、賑やかなシリアの町

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内戦によって変わり果てた町

 

 

日本にいると、難民危機はまるで現実味が感じられない、どこか別世界での出来事のように感じるかもしれません。

正直ドイツに住んでいても、難民キャンプや受入れ施設で働いて難民の人々と直に接しても、それでもなお現実とは受け入れることは簡単ではありません。

事実、それくらい悲惨で、私たち日本人の想像力では理解できないほどに過酷な状況なのです。

 

だから、難民危機といわれても、なんだかよくわからないし、関心を持てない、関係がない、そう思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、私たちの目の前でそれが起きていないということが、その現実が存在していないということを意味するわけではありません。

難民危機は現実に存在し、それまで幸せに暮らしていた何の罪もない人々が、絶望の淵での生活を強いられているのです。

動画はSave the Childrenという団体によって2014年に発表された「If London Were Syria」(もしロンドンがシリアだったら)というものです。

動画を見て、「もし東京がシリアだったら」と少し想像してみて下さい。

遠く離れた日本からでも、私たちに出来ることはあるはずです。

ジャケットの配給

無邪気な子ども ― 難民キャンプにて

 

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