アテネの中心からほど近いピレウス港は、難民たちにとって陸路でのヨーロッパ大陸移動の玄関口となる場所です。
メンバーが訪れた2016年3月〜5月頃までは、フェリーでレスボス島等の島々から到着した難民たちで溢れていました。
マケドニアやセルビアを通ってドイツやスウェーデンに向かうための、通称「バルカンルート」が各国の国境封鎖により閉じてしまったので、多い時で数千人の難民たちが足止めされていたのです。
港の奥(E1〜E3)では難民たちがテントを張っているエリアがあり、簡易シャワーやトイレ、倉庫等が用意され、1日3回の食料配給を含めた運営は国際NGOや地元の人々によって支えられています。
サントリーニ島などギリシャの島々に行く観光客は必ず訪れる港なので、夏の観光シーズンまでに難民を移動させるという計画があり、4月の段階から難民の間では「今週末で全員撤去されるらしい」などと噂が飛び交っていました。
ただ、難民たちは順次バスで他のキャンプに移送されているものの、キャンプの準備は遅れており、2016年7月の時点でも、未だに私の友人を含め多くの難民が残っているようです。