アフリカから地中海を経由してEUを目指す難民を乗せた密航船が相次いで転覆し、イタリア当局は今週だけで(月曜日以降に)7000人以上を救助したことを明らかにした。
イタリア当局は26日、地中海リビア沖で多数の難民を乗せた密航船が転覆する瞬間を捉えた映像を公表した。(映像はこちらから)
25日に起きたこの事故後562人の難民がイタリア海軍により救助されましたが、5名の死亡が確認されており、最終的な死者数は100人に上るのではという推測もある。
またその26 日にも、100人以上を乗せた密航船が同じ海域で転覆し、同様に77人が救助されたものの、死亡者は20人から30人に達すると見られている。
また、イタリア当局は22日と23日の2日間で5600人を救助している。
地中海では、アフリカや中東などからEUを目指す難民が後を絶たない。
UNHCRによれば、今年に入ってこれまでに19万7696人の難民が地中海を渡ってギリシャ(15万6261人)やイタリア(4万532人)、スペイン(903人)に辿り着いている。(詳細はこちら)
この数字は昨年同時期の2倍を超える数である。
また、気候が安定し、気温が上昇する夏はより多くの難民が海を渡ると考えられるため、今後この流れが治まるとは考えにくい。
EUは今年3月20日に施行されたトルコとの難民問題対策合意により、トルコかギリシャを目指すルートが大幅に縮小されたと発表した。しかし、その合意後アフリカからイタリアを目指す難民の数が急増している。
参考:
Migrant crisis: Many feared dead in shipwreck off Libya – BBC
Italian navy says migrant boat flipped, five dead – Reuters
Refugees/Migrants Emergency Response – Mediterranean – UNHCR
難民乗せた船 相次ぎ転覆 今週だけで7000人超救助 – NHK NEWS WEB